遺伝地図分科会

遺伝地図分科会では、これまでにミヤコグサの標準系統であるGifu B-129と国内系統でこれと最も多型率が高く、早咲きであるMiyakojima MG-20を両親とするF2分離集団127個体を使ってDNAマーカーを用いた分子遺伝地図の構築を行ってきました。
 当初、連鎖群が染色体数6よりも1つ少ない5に収束していましたが、染色体の解析により、両親系統間で相互転座が生じていることが明らかとなりました。そこでマッピングされているTACクローンのFISH解析の結果並びにSandal らによって構築されたGifu B-129 x L. filicaulis の分子遺伝地図の情報をもとに、まず共優性マーカーでGifu B-129、 Miyakojima MG-20の骨格地図を別々に作製し、これらに各々の優性マーカーを位置付けて遺伝地図の再構築を行いました。
 2000年4月より本格的にスタートし、2001年10月にはAFLPマーカー、SSRマーカー、dCAPSマーカー及びその他のPCRベースのマーカーから成る遺伝地図を構築することができ、2001年12月にはDNA RESEARCH誌に論文発表を行いました。
 2002年12月現在、Gifu B-129、 Miyakojima MG-20の遺伝地図は、それぞれマーカー数約350で、いずれも全長は約500cM、平均マーカー間距離が約2cMとなっています。これらのマーカー情報は、web site 上で公開されています。
 今後は、さらにこの遺伝地図の高密度化を図ると共に、RILsを共有する諸研究機関で解析したマーカー情報の統合を行い、RILsの遺伝地図構築も進めていく予定です。

<SSR marker>
 遺伝地図分科会のSSR/dCAPS marker部門では進行中のゲノム解析プロジェクトの一環としてゲノム配列情報を利用したSSR(Simple sequence repeat)、dCAPS(degenerated cleaved-length polymorphism)マーカーの作製を行ってきました。
 方法としてはゲノムクローン配列上にSSR配列をサーチし、その配列を挟んでプライマーをデザインします。このプライマーセットを用いてマッピング集団の親株であるMiyakojimaとGifuの間での多型を調べます。これまでの解析結果から、ミヤコグサゲノムには(AT)n, (CT)n, (AAG)n, (GGT)n, (AAT)nの順で頻度が高い傾向が認められました。これまでに多型を調べたSSRのうち約3割のものが多型を示しています。
 クローン上に多型を示すSSRが得られなかった場合には、クローン(Miyakojima由来)に対応するGifuのゲノム領域の部分シークエンスを行い一塩基置換を検索し、それをもとにdCAPSプライマーを作製し解析を行いました。
 マッピング集団にはAFLPマーカー部門と同じGifu x MiyakojimaのF2 127個体を用いており、AFLPマーカー部門、SSR/dCAPSマーカー部門で得られたデータの統合が可能です。また作製したSSRマーカーの多くがGifuとL. filicaulisの間でも多型を示すため、デンマークのSandalらが作成を進めている遺伝地図にもマップされています。
 2002年12月現在、523クローンについてマッピングを終了しています。これらのうち77クローンがdCAPSマーカーで、残りの446クローンについてはSSRマーカーでマップされています。マーカー数はゲノムシークエンスの進行に伴い今後も月間20から30マーカーのペースで増加していく予定です。
 これらのマーカー情報は対応するクローンの配列情報の公開にあわせて論文で紹介しているほか、web siteでの公開を計画し準備を進めています。また、最新の情報に関しては問い合わせに応じて提供しております。

参加メンバー
千葉大学          林 正紀、宮原 章、恩田隆卓、原田久也
かずさDNA研究所     佐藤修正、加藤友彦、田畑哲之
大阪大学          吉川真琴、武田倫子、林 誠、室岡義勝
ウィーン大学        Andrea Pedrosa、Andreas Bachmair
オーフス大学        Niels Sandal、Jens Stouggard
農業生物資源研究所     今泉(安楽)温子、川崎信二
新潟大学          川口正代司

<文責:林 正紀、佐藤修正(SSR)>

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